
久しぶりに押し入れからセガサターンを引っ張り出して電源を入れたら、いきなり日付と時刻の設定画面が出てきた。しかも前回セーブしたはずのデータが消えている。そんなときに疑うのが、本体に入っているバックアップ用のリチウム電池だ。
この記事では、セガサターンの電池が何のために入っているか、交換するとデータがどうなるか、交換の前にセーブを逃がす方法、電池の交換手順、交換後の時計設定までをまとめた。書いたのは、当時の取扱説明書とiFixitの修理ガイド(二次資料)で確かめられた範囲だけだ。確かめられなかったことは、その旨を書いてある。
メーカーの案内について
セガの公式案内では、ドリームキャストとセガサターンなどの修理サービスは2007年9月をもって終了しています(セガ「家庭用ゲーム、ハード、PCゲームのお問い合わせ」)。セガの公式サイトの仕様表(初期型のHST-3210)には、付属品としてリチウム電池(CR2032)が載っています。当時の取扱説明書(セガの公式サイトでは見つからず、スキャン画像で確認)には、電池の交換手順が書かれている一方で、本体の分解や改造は絶対にしないようにとも書かれています。この記事は、取扱説明書とiFixitの修理ガイドで確かめられた範囲をまとめたものです。
症状の整理|時計がリセットされる・セーブが消えるとき
セガサターンの取扱説明書には、セガサターンは内蔵時計およびセーブデータのバックアップ用としてリチウム電池を使用する、と書かれている。つまり電池が保持しているのは、大きく2つだ。
- 本体内蔵の時計:日付と時刻の設定
- 本体のバックアップメモリーに保存したセーブデータ:パワーメモリー(外部メモリー)ではなく、本体側にセーブしたデータ
取扱説明書には、リチウム電池を入れずにゲームを始めると、セーブデータの保存やゲームの正しい操作ができないことがある、とも書かれている。また、リチウム電池は約1年をめどに交換するよう案内されている。電池が切れたときに、実際にどんな症状がどの程度で出るのかは、公式の資料では確認できなかった。
なお、時計がリセットされる原因は電池だけではない。取扱説明書では、マスターリセットスイッチを押すと内蔵時計の設定は消える(本体のバックアップメモリーに保存したセーブデータは消えない)と説明されている。同じセガ系のハードでも、メガドライブが映らない症状は電池とは別の話なので、混同しないようにしてほしい。
電池を交換すると、時計とセーブはどうなるか
ここが一番大事なところだ。取扱説明書には、リチウム電池を外すと、本体のバックアップメモリーにセーブされたデータが消えるので、交換のとき以外はむやみに電池を外さないように、と書かれている。すでにデータが消えている個体なら気にしなくていいが、まだ残っているセーブがあるなら、電池を外す前に逃がしておく必要がある。
電池を交換したあとは、時計の設定が必要になる。取扱説明書には、セガサターンCDで遊ぶとき(またはリチウム電池を交換したとき)は、自動的に日付と時刻の設定画面が表示されるので、現在の時刻を正しく設定するように、正しく設定せずにゲームを始めると正しく遊べない場合がある、と書かれている。
交換の前に:セーブデータをパワーメモリーに逃がす
セガの公式サイトによると、パワーメモリーはゲームなどのセーブデータを保存しておくための拡張機器で、本体内蔵RAM(256Kビット)の16倍(4Mビット)の記録容量がある。取扱説明書でも、大切なデータは別売のパワーメモリーにコピーすることをすすめている。パワーメモリーの取扱説明書に書かれている手順は、次のとおりだ。
コピーの手順(パワーメモリーの取扱説明書より)
- セガサターン本体のパワーボタンがOFFになっていることを確認する(カートリッジの抜き差しは、必ず本体の電源をOFFにしてから行う)
- インデックスシール面を前にして、パワーメモリーを本体のカートリッジスロットに差し込む
- LまたはRボタンを押しながら、本体のパワーボタンをONにする。ロゴが表示されたあと、保存データ管理画面が表示される
- 「本体の記録:カートリッジにコピー」を選んでCボタンを押し、コピーしたいデータを選ぶ
- コピーの途中で電源を切らない。終わったらBボタンを押して、保存データ管理画面に戻る
ゲームのセーブの方法はソフトによって異なる、とパワーメモリーの取扱説明書にも書かれている。コピーできるデータは保存データ管理画面に一覧で表示されるので、逃がしたいセーブが表示されるかを先に確かめてほしい。コピーが終わったら、電源を切ってからパワーメモリーを抜く。
注意:パワーメモリーの取扱説明書には、初めて使うときは必ず「カートリッジの記録:全部消す(初期化)」を行うように、とある。ただし、すでにデータがセーブされているパワーメモリーで初期化を行うと、データはすべて消える。中身が入っているパワーメモリーで初期化をしないよう注意すること。
電池の型番と向き、扱いの注意
交換する電池はCR2032だ。取扱説明書に「交換するリチウム電池:CR2032」とあり、セガの公式サイトの仕様表(初期型のHST-3210)でも付属品はリチウム電池(CR2032)になっている。ただ、確認できたのはこの資料に載っている型番だけで、ほかの型番や年式の本体で同じかどうかは公式では確認できなかった。買う前に、今入っている電池を外して、電池に刻印されている型番を自分の目で確認してほしい。
取扱説明書のリチウム電池の項目には、次の注意が書かれている。
- 破裂や液もれの恐れがあるので、+(プラス)と-(マイナス)の極性に注意して電池を入れる
- ショート、分解、加熱、充電、投火はしない
- 電池を使うときは、電池の表面を乾いた布でよく拭く
- 電池が消耗した場合は、速やかに新しい電池と交換する。消耗した電池は、本体に悪影響を及ぼす恐れがある
セガサターン内蔵電池の交換手順
電池は、本体を開けなくても、背面の電池ぶたから交換できる。取扱説明書の「接続のしかた」には電池ソケットと電池カバーの図があり、iFixitの修理ガイドでも、背面のレバーで電池のふたを開け、ヘラとピンセットで電池を取り出す手順で、ネジを外す工程やはんだ付けは出てこない。取扱説明書には、本体の分解や改造は絶対にしないようにと書かれている。電池の交換のために、ケースのネジを外したり、はんだ付けをしたりする必要はない。
STEP1:電源を切り、電源ケーブルを抜く
取扱説明書には、リチウム電池を交換するときは、必ず電源ケーブルがコンセントから抜いてあることを確認するように、抜かずに行うと感電する危険がある、と書かれている。本体の電源を切って、電源ケーブル(ACコード)をコンセントから抜く。セーブを逃がしたい場合は、この前に済ませておく。
STEP2:本体背面の電池ぶたを開ける
iFixitの修理ガイドでは、本体背面のプラスチックのレバーを押すと、電池のふたが開く、と説明されている。本体の後期型やVサターンなど、ほかの型番でも同じ位置・同じ形かは、公式では確認できなかった。
STEP3:古い電池を取り出す
iFixitの修理ガイドでは、開口用のヘラで電池の縁を押し上げて、ピンセットで抜き取る手順になっている。この時点で、本体のバックアップメモリーのセーブデータは消える。電池の向き(+面が上か)を、取り出す前に写真に撮っておくと、入れるときに迷わない。
STEP4:新しい電池を入れて、電池ぶたを閉じる
取扱説明書には、電池ソケットに付属のリチウム電池を+(プラス)面を上にして斜めに差し込み、上から押し込む、と書かれている。差し込む前に、電池の表面を乾いた布でよく拭く。入れたら電池ぶたを閉じる。
STEP5:電源を入れて日付と時刻を設定する
電源ケーブルを戻して電源を入れる。取扱説明書には、電池を交換したあと、セガサターンCDで遊ぶときに日付と時刻の設定画面が自動的に表示される、と書かれている。CDを入れずに設定するときは、LまたはRボタンを押しながらパワーボタンを押して保存データ管理画面を表示し、「ユーザー設定画面」から「日付、時刻の設定」を選ぶ。方向ボタンの上下で数値を変え、左右で次の項目に移り、設定が終わったら「決定」を選んでCボタンを押す。設定せずにゲームを始めると正しく遊べない場合があるので、先に設定しておく。
STEP6(逃がしたセーブがあるとき):パワーメモリーから本体に戻す
パワーメモリーの取扱説明書のコピーの項によると、保存データ管理画面で「カートリッジの記録:本体にコピー」を選ぶと、パワーメモリーのデータを本体にコピーできる。操作は、STEP1の前に行った手順と同じ流れだ。
使用済みの電池の扱い
取扱説明書には、リチウム電池を外しておくときは、幼児の手の届くところに置かないように、万が一飲み込んだ場合はただちに医師に相談するように、と書かれている。分解、加熱、充電、投火もしない。外した電池の捨て方は、お住まいの自治体の案内を確認してほしい。
交換しても直らないとき
電池を交換しても時計設定の画面が出続ける場合は、次のことを確認してほしい。
- 電池の向きが、+(プラス)面を上にした向きになっているか
- 電池が電池ソケットにきちんと押し込まれているか、電池ぶたが閉まっているか
- 新しい電池の型番がCR2032か
それでも直らない場合は、電池以外に原因があるのかもしれない。セガサターンの取扱説明書には、「初期化できませんでした」「本体から記録を消せませんでした」というメッセージが出たときは、本体のバックアップメモリーが故障していることも考えられる、と書かれている。ただ、セガのゲーム機の修理サービスは2007年9月に終了している。電池以外の原因の調べ方は、公式の資料では確認できなかった。
よくある質問
Q. 電池が切れていても、ゲーム自体は起動しますか?
取扱説明書には、リチウム電池を入れずにゲームを始めると、セーブデータの保存やゲームの正しい操作ができないことがある、と書かれている。起動するかどうかは、公式の資料では確認できなかった。
Q. 電池はCR2032で合っていますか?
取扱説明書と、セガの公式サイトの仕様表(初期型のHST-3210)では、CR2032になっている。ほかの型番の本体は確認できていないので、外した電池の刻印で確かめてほしい。
Q. 本体を開けたり、はんだ付けをしたりする必要はありますか?
取扱説明書とiFixitの修理ガイドで確かめられた範囲では、電池は背面の電池ぶたから交換する。取扱説明書には、本体の分解や改造は絶対にしないようにと書かれている。
Q. パワーメモリーがあれば、電池交換は不要ですか?
取扱説明書には、電池は内蔵時計とセーブデータのバックアップ用と書かれている。パワーメモリーはセーブデータの保存先を増やす拡張機器なので(セガ公式)、時計の設定は本体の電池に頼ることになると考えられる。パワーメモリーだけを使う場合の説明は、公式の資料では確認できなかった。
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まとめ|電池の交換で時計とセーブの症状が直ることがある
取扱説明書と修理ガイドで確かめられた範囲を、最後に整理しておく。
- セガサターンの電池は、内蔵時計とセーブデータのバックアップ用のリチウム電池(CR2032)
- 電池を外すと、本体のバックアップメモリーのセーブデータは消える。残したいデータは、電池を外す前にパワーメモリーへコピーする
- 電池は背面の電池ぶたから交換する。電源を切り、電源ケーブルをコンセントから抜いてから行う
- 電池は+面を上にして入れる。交換したあとは、日付と時刻を設定する
- ほかの型番や年式、電池以外の原因は、公式の資料では確認できなかった
電池は消耗品で、交換の手順も取扱説明書に載っている。長年しまってあったサターンを遊ぶ前の、最初の確認として取り組んでみてほしい。同じセガのレトロハードで読み込みトラブルに悩んでいるなら、ドリームキャストが読み込まないときの原因と対処もまとめてある。
※本記事は取扱説明書とiFixitの修理ガイドの内容をまとめたものです。作業による本体の故障・データ消失について当サイトは責任を負いません。実際の作業は、ご購入の電池・部品の説明書に従ってください。

