
初代ファミコンは映像も音も付属のRFスイッチ1本でテレビに届く作りです。音が出ないときに確かめる場所は本体の種類、テレビ側、カセットの端子、コントローラーIIのマイクの4か所です。
この先で、初代とAV仕様(ニューファミコン)の音の通り道の違い、テレビ側の合わせ方、カセットの端子、マイクの順に整理し、最後に修理受付の状況を紹介します。
メーカーの案内について
任天堂サポートの「修理の受付が終了した商品」には「ファミリーコンピュータ」「ニューファミコン」「ファミリーコンピュータディスクシステム」が載っています。一覧にない商品でも受付が終了している場合があるため、任天堂は修理に出す前の確認を案内しています。この記事で紹介する方法はメーカーが案内している方法ではありません。試す場合はご自身の判断と責任でお願いします。
初代は映像も音もRFスイッチで届き、AV仕様は音もAVケーブルで届く
初代ファミリーコンピュータ(HVC-001)は付属のRFスイッチでテレビにつなぎます。映像も音も同じRF接続でテレビに入ります。
1993年12月1日発売のAV仕様ファミリーコンピュータ(HVC-101、通称ニューファミコン)にはRF端子がなく、音はAV端子から出ます。つなぐ前に、手元の本体がどちらかを見分けてください。
| 項目 | 初代(HVC-001) | AV仕様(HVC-101) |
|---|---|---|
| 発売日 | 1983年7月15日 | 1993年12月1日 |
| テレビとの接続 | 付属のRFスイッチ | AVケーブル(RF接続には別売のRFモジュレータ HVC-103 が必要) |
| 音の出方 | RFに変換されてテレビへ | AV端子から出る。ステレオ用のケーブルでもモノラル |
| コントローラーIIのマイク | あり | なし(専用コントローラー HVC-102) |
初代はRFに変換するときに高音域がかなり減るため、AV出力のAV仕様とは音の印象がだいぶ違います。同じ初代でも製造時期で回路や部品が違い、本体によって音量バランスや高音域の出方が異なります。
初代とAV仕様の違いはファミコンとニューファミコンの違いの記事にまとめています。AVケーブルの選び方はファミコン用AVケーブルの記事を見てください。
出典:任天堂「ファミコンとは?」(初代の接続・型番。当時の説明書をもとにした文章)/任天堂「ファミコン年表」(AV仕様の発売日)/任天堂 2016年9月30日の発表文(初代の発売日)/ウィキペディア日本語版「ファミリーコンピュータ」(二次資料。AV仕様の音声出力・HVC-102・HVC-103、RF変換と音量バランス)
初代は本体とテレビのチャンネルを合わせ、本体を「GAME」にする
初代の本体にはチャンネル切替えスイッチとモード切替えスイッチがあります。任天堂の説明ではテレビ放送が1チャンネルの地域なら2チャンネルに、2チャンネルの地域なら1チャンネルに合わせます。空いているチャンネルが、ファミコン専用になります。
まず、テレビの消音(ミュート)と音量を確かめてください。初代をRFで直接つなぐ場合は、アナログ放送を受信できるテレビで、本体のCH1/CH2と受信するチャンネルを合わせ、GAME側にします(チャンネルの選び方の説明はアナログ放送当時のものです)。AV仕様では、音声のプラグが、テレビで選んでいる入力の音声端子につながっているかを、テレビの説明書で確かめてください。
モード切替えスイッチをTVモードにすると、テレビ放送が受信できます。TVモードのままだと、ゲームの音と映像はテレビに届きません。音が出ないときはスイッチがGAME側かを最初に見てください。画面が映らない場合はファミコンが映らない原因の記事から確かめるのが近道です。
地上アナログ放送の終了後、アナログチューナー付きの新品テレビは2012年頃から店頭で減りはじめました。初代はRF接続の仕組みなので、デジタルチューナーのテレビにはつなぎにくくなっています。AV仕様なら、AV入力端子のあるテレビにつなげます。つなぎ方は実機ファミコンのテレビへのつなぎ方の記事にまとめています。
出典:任天堂「ファミコンとは?」(チャンネル切替え・モード切替え)/ウィキペディア日本語版「ファミリーコンピュータ」(二次資料。地上デジタル放送への移行後のテレビとの接続)
音は一度カセットの端子を通って本体に戻るので、端子の汚れも疑う
ファミコンの音声信号はカセットのコネクタから出て、本体に戻る仕組みです。ふつうのカセットでは出力側と入力側の端子がつながっていて、出した音がそのまま戻ります。この道が途中で切れると、音に影響が出る可能性があります。
音の通り道の作りから、カセット端子の接触不良も候補と考えられます(掃除で直るかは、ここでは確かめていません)。電源スイッチを切ってからカセットを抜き、端子を掃除して、奥まで差し直してください。手順はファミコン端子掃除のやり方で紹介しています。
カセットによってはこの戻る道の途中で本体の音に別の音源を足しています。ディスクシステムの音源や、一部のコナミ製ゲームの追加音源が例です。特定のソフトだけ音がおかしいときはほかのカセットでも同じかを見て、本体とカセットのどちらの問題かを分けましょう。
出典:ウィキペディア日本語版「ファミリーコンピュータ」(二次資料。音声のミキサー、拡張音源、カセットの抜き差しの順)
コントローラーIIのマイクは、音量つまみの雑音や不具合が多かった
初代のコントローラーIIにはマイクとVOLUME(音量つまみ)がついています。ウィキペディア日本語版にはこのつまみは動かすたびに大きな雑音が出たり、左いっぱいにしてもマイクがオフにならなかったりと、故障が多かったとあります。
マイクがオフになっていないと、マイクが拾った声がテレビから流れます。無音ではなく雑音や変な音が出るときはコントローラーIIのつまみを左いっぱいにして、変化を見てください。AV仕様の専用コントローラーにはマイクがありません。コントローラーそのものが反応しないときはコントローラーの記事を見てください。
出典:任天堂「ファミコンとは?」(コントローラーIIのマイクとVOLUME)/ウィキペディア日本語版「ファミリーコンピュータ」(二次資料。つまみの故障、マイクの音声)
ここまでで直らないときは、任天堂の修理受付が終わっている
任天堂はファミリーコンピュータとニューファミコンの修理受付を終えています。メーカーに本体を送って直す方法は今は使えません。本体の中の原因を調べる話はファミコン本体の修理方法の記事にまとめています。
スーパーファミコンの音が出ないときはスーファミの音が出ない時の直し方の記事を見てください。
まとめ:本体の種類、テレビ側、カセット端子、コントローラーIIの順に確かめる
- 初代(HVC-001)かAV仕様(HVC-101)かを見分ける。初代は映像も音もRF接続で届く
- テレビの消音と音量を見る。初代は本体とテレビのチャンネルを合わせ、本体をGAMEにする
- 映像は出るのに音だけおかしいときはカセットの端子を掃除して差し直す
- 雑音が出るときはコントローラーIIの音量つまみを左いっぱいにして変化を見る
確かめられなかったこと
- カセットの端子の汚れが、実際にどのくらい音だけに出るのかを書いた公式の文章
- テレビ側の音量や入力の設定が音に与える影響(テレビの機種ごとに違うため)
- 本体の中の部品(コンデンサなど)が音の不具合の原因になる割合
- 任天堂が案内するファミコン本体の分解・改造についての注意書き

