久しぶりに押し入れからセガサターンを引っ張り出して電源を入れたら、いきなり時計設定の画面が出てきて「あれ、これ毎回出るじゃん」ってなった経験、お前もあるだろ。電源を入れるたびに年月日と時刻を聞かれて、面倒だから適当に打ち込んで進めてる人も多いはずだ。しかもよく見ると、前回セーブしたはずのデータが消えてる。中古で買った個体なら「壊れてるのかな」って不安にもなるよな。

結論から言うと、これはほぼ間違いなく本体内蔵のバックアップ電池切れだ。サターンはゲーム機自体が壊れてるわけじゃなく、時計とセーブデータを保持してるボタン電池が寿命を迎えてるだけのケースがほとんど。この記事では、セガサターンの内蔵電池がどういう役割を持ってるか、交換すると何が直るか、電池ホルダー式とタブ直付け式の違い、必要な工具、交換の手順、よくある疑問までまるっとまとめた。最後まで読めば、自分の個体がどっちのタイプか見極めて、迷わず作業に入れるはずだ。

症状の整理|なぜ時計がリセットされる・セーブが消えるのか

セガサターンの本体内には、バックアップ用のボタン電池が1個入ってる。この電池が何を保持してるかというと、大きく2つだ。

  • 本体内蔵の時計(RTC=リアルタイムクロック):一部のソフトはセーブデータに日時を記録するために、この時計を使う
  • 本体内蔵メモリーのセーブデータ:カートリッジ式の外部メモリー(通称パワーメモリー)を使わずに、本体側に直接セーブしてるデータ

この電池がまだ元気なうちは、電源を切っても時計は動き続けるし、内蔵メモリーのセーブも保持され続ける。でも電池が切れると、バックアップ用の電力が途切れるから、本体は「時計の情報が飛んだ」「メモリーの内容が保証できない」って判断して、起動のたびに時計設定画面を出してくる。内蔵メモリーのセーブも同時に消えるか、次に読み込もうとしたときに壊れてる、っていう症状になるわけだ。

この電池は工場出荷のときから入ってる、いわば「最初から積んである消耗品」だ。何年も、下手すりゃ数十年単位で使われ続けてる個体がほとんどだから、正直に言えば「切れていて当然」の話でもある。逆に言えば、電池を交換してやれば、症状はスッと直ることが多い。他の基板トラブルと違って、原因がハッキリしてて対処もシンプルなのがこの症状のいいところだ。ちなみに同じセガ系のハードだと、メガドライブが映らない症状は電池切れとは別系統の原因(映像出力まわりやコンデンサ)が多いから、症状の切り分けとしては混同しないようにしとけ。

電池を交換すると何が変わるか

電池を新品に替えると、単純にこうなる。

  • 起動のたびに時計設定を聞かれなくなる:毎回のあの面倒な入力から解放される
  • 本体内蔵メモリーのセーブが保持されるようになる:外部メモリー(パワーメモリー)を持ってなくても、本体だけでセーブが残せる
  • 一部のソフトで正しい日時が使えるようになる:日時を参照するタイトルで表示がおかしくなるのを防げる

デメリットというほどのものではないが、正直な話も書いておく。交換作業自体は本体を分解する必要があるので、開け方を間違えるとツメを折ったり、内部のケーブルを傷つけたりするリスクはゼロじゃない。あと、電池を外してる間は当然バックアップの電力が切れるから、内蔵メモリーのセーブは作業中に消える。すでに消えてしまってる状態なら気にする必要はないが、まだ生きてるセーブがあるなら、作業前にひと手間かけて逃がしておいたほうがいい(このあと説明する)。とはいえ、電池自体は数百円で買える消耗品だし、交換作業も慣れれば10〜20分程度で終わる軽作業だ。ハードルの高い改造じゃなく、あくまで「切れた電池を替えるだけ」の整備だと思ってもらっていい。

交換する電池・部品の選び方|ここを間違えると事故る

電池交換自体はシンプルだけど、選び方でつまずくポイントが3つある。ここを押さえておけば迷わない。

ポイント1:自分の個体が「ホルダー式」か「タブ直付け式」か確認しろ

セガサターンの内蔵電池は、個体によって固定のされ方が違う。電池ホルダー(電池を挟むだけの部品)に入ってるタイプと、電池の足(タブ)が基板に直接はんだ付けされてるタイプの両方が存在する。ホルダー式なら電池をポンと差し替えるだけで済むが、タブ直付けの場合ははんだ付けの作業が必要になる。これは開けてみないと分からないことが多いから、「うちの個体はどっちだろう」と思いながら分解して、まず目で確認するところから始めてくれ。ここを決めつけて工具を用意しないと、いざ開けたときに手が止まる羽目になる。

ポイント2:電池の型番は必ず自分の個体で確認しろ

セガサターンのバックアップ電池は一般的にCR2032が使われていることが多い。ただし「一般的に」であって、個体差や年式による違いがないとは言い切れない。買い直す前に、今入ってる電池を取り外して、刻印されている型番を自分の目で確認するのが一番確実だ。もっともらしい数字を鵜呑みにして違う型番を買ってしまうと、サイズが合わずホルダーに収まらなかったり、接点に届かなかったりする。ここは面倒でも省略するな。

ポイント3:タブ直付けなら「電池だけ」か「ホルダー化」かを決めろ

タブ直付けタイプの場合、選択肢は2つある。ひとつは同じタブ付き電池を新品ではんだ付けし直す方法、もうひとつは直付けをやめて電池ホルダーを基板に取り付け、以降は電池だけ差し替えられるようにする方法だ。後者は最初の1回だけはんだ付けの手間がかかるが、次回以降の交換が圧倒的に楽になる。何度も開け閉めするのが嫌なら、ホルダー化しておくのは十分アリな選択だ。どちらを選ぶにしても、購入前に自分の基板のスペース(ホルダーが収まる余白があるか)を確認しておこう。

PR
CR2032ボタン電池をAmazonで見る

複数個入りのパックを買っておけば、他のバックアップ電池が必要な家電・周辺機器にも使い回せて無駄がない。必ず自分の個体から外した電池の型番と照らし合わせてから使ってくれ。

作業前に準備するもの一式

電池が決まったら、次は工具だ。ホルダー式なら少ない道具で済むし、タブ直付けならはんだごても必要になる。最低限これは揃えておけ。

精密プラスドライバー

セガサターンの本体ケースは、底面や内部の基板固定にプラスネジが使われている。サイズの合わないドライバーで無理に回すとネジ頭を舐めるから、ゲーム機の分解にちょうどいいサイズが揃った精密ドライバーセットを用意しておこう。

PR
精密ドライバーセットをAmazonで見る

プラスチックのオープナー(こじ開けヘラ)

ケースを開くときに、マイナスドライバーや金属のヘラでこじると、爪部分や外装に傷やヒビが入りやすい。プラ製のオープナーを使えば、力を入れてもケースを傷つけにくい。スマホ修理用のセットに入ってるようなものでいい。

PR
プラ製オープナー(分解用ヘラ)をAmazonで見る

ピンセット

ホルダー式の電池を出し入れするとき、指だけだと爪が引っかかったり、電池の縁を触って手の油がついたりする。先の細いピンセットが1本あると、電池の脱着がぐっと楽になるし、接点を素手で汚さずに済む。

(タブ直付けの場合のみ)温度調整式はんだごてセット

分解して確認した結果、自分の個体がタブ直付けタイプだった場合は、はんだごてが必要になる。古いはんだを溶かして電池を外し、新しい電池(またはホルダー)を取り付ける工程が入るからだ。温度調整ができるタイプのはんだごてと、はんだ吸い取り線がセットになってるものを選んでおくと安心できる。ホルダー式だった場合はこの工具は不要だ。

PR
温度調整はんだごてセットをAmazonで見る

(あれば便利)パワーメモリー(外部メモリーカートリッジ)

本体内蔵メモリーに大事なセーブが残ってるなら、電池を外す前にパワーメモリー(外部メモリーカートリッジ)へデータをコピーして退避させる手がある。電池交換の作業自体には必須じゃないが、消えたら困るセーブがあるなら用意しておくといい。持ってないなら、この機会に1個確保しておくのも手だ。

PR
セガサターン パワーメモリーをAmazonで見る

セガサターン内蔵電池の交換手順

ここからが本番だ。機種の年式や生産時期によって基板のレイアウトは細部が違うから、迷ったところは無理に進めず、写真を撮りながら慎重にやってくれ。分解には破損・感電(といっても本体はコンセントを抜いておけば大電圧ではないが、内部部品の破損リスクという意味で)・データ消失のリスクがあることは頭に入れておけ。

STEP1:電源を切ってプラグを抜き、セーブを退避する

作業前に本体の電源を切り、電源プラグをコンセントから抜く。内蔵メモリーに残しておきたいセーブデータがある場合は、パワーメモリーが使えるソフトを起動してコピー機能で退避させておこう。この時点で電池を外すと内蔵メモリーのセーブは消える前提で作業に入る。

STEP2:本体裏のネジを外してケースを開ける

本体を裏返し、精密プラスドライバーで底面のネジをすべて外す。ネジは長さが場所によって違うことがあるから、外した順番と位置が分かるように置いておくと、組み戻すときに迷わない。ネジを外し終えたら、プラ製オープナーを使ってツメの部分を少しずつ浮かせながら、上下のケースを開く。

STEP3:バックアップ電池の位置とタイプを確認する

ケースを開けたら基板上のバックアップ電池を探す。丸くて銀色のボタン電池がそれだ。電池ホルダーに収まっているだけなのか、電池の足が基板に直接はんだ付けされているのかをよく見て確認する。ここでタイプが確定するので、以降はどちらかの手順に進む。

STEP4-A:ホルダー式の場合の交換

ホルダー式なら難しいことはない。電池の向き(プラス・マイナス)をよく確認してから、ピンセットや指先で古い電池をホルダーから取り出し、新しいCR2032を同じ向きで差し込むだけだ。逆挿しはバックアップが正しく機能しない原因になるし、金属部分同士が接触するとショートの危険もあるので、向きの確認は必ず2回はチェックしてくれ。

STEP4-B:タブ直付け式の場合の交換

タブ直付けの場合は、はんだごてで古い電池のタブ部分のはんだを温めて溶かし、電池を取り外す。基板のランド(はんだが乗ってるパッド部分)を傷つけないよう、無理に引っ張らず、はんだが十分に溶けてから優しく外すのがコツだ。新しい電池(またはホルダー)を、元の電池と同じ向き(極性)で取り付けてはんだ付けする。はんだ付けの熱を長時間当てすぎると電池自体や周辺の部品を傷めることがあるので、手早く済ませてくれ。ショートを避けるため、作業中は基板の他の部分にはんだごての先やはんだくずが触れないよう注意しろ。

STEP5:仮組みで動作確認する

電池を交換したら、ケースを完全に閉じる前に一度電源を入れて動作確認をする。起動して時計設定画面が出るのは初回だけなら正常だ(電池を外した直後は時計の情報がリセットされているため)。日時を設定し直して、一度電源を切ってから再度入れ直し、時計設定画面が出なくなっていれば交換成功だ。ここで異常があれば、ケースを閉じる前に電池の向きやはんだ付けを見直せる。

STEP6:ケースを閉じて完成

動作に問題なければ、上下のケースを合わせてツメを噛み合わせ、外したネジを元の位置に戻して締める。ネジは締めすぎるとケース内部のボスを割ることがあるので、しっかり止まったところで止めておけばいい。これで一連の作業は完了だ。

よくある失敗と対策

電池交換自体は難しい作業じゃないが、油断すると起きがちな失敗もある。あらかじめ知っておけば、ほとんど回避できる話ばかりだ。

失敗1:電池の向き(極性)を間違える

ホルダー式でもタブ直付けでも、一番多いのがこれだ。プラスとマイナスを逆に入れると、バックアップが正しく機能しないだけでなく、ショートの原因にもなりかねない。取り外す前に元の電池の向きを写真に撮っておくのが一番確実な対策だ。記憶に頼らず、必ず記録を残してから作業に入れ。

失敗2:はんだ付けでランド(基板のパッド)を剥がす

タブ直付けタイプで、古いはんだをしっかり溶かさないまま無理に電池を引っ張ると、基板側のランドごと剥がれてしまうことがある。こうなると新しい電池を取り付ける場所自体がなくなってしまい、修復が一気に面倒になる。はんだが完全に溶けているのを確認してから、力をかけずに外すのが鉄則だ。慣れないうちは、温度を上げすぎず、じっくり時間をかけたほうが結果的に安全だぞ。

失敗3:電池を交換したのに症状が直らない

電池を新品に替えても時計設定画面が出続ける場合、電池の向きが逆になっている、接点の接触不良(ホルダーのバネが弱っている、はんだ付けが甘い)、あるいはバックアップ回路自体に別の不具合がある、といった可能性が考えられる。まずは電池の向きと接点の接触をもう一度確認してくれ。それでも直らない場合は、電池以外の基板側の問題も疑う必要が出てくる。

自分でやるか、詳しい人に頼むか

正直な感触を言うと、ホルダー式の電池交換は初心者でも十分こなせるレベルの軽作業だ。ネジを外してケースを開け、電池を差し替えるだけだから、分解経験がなくても手順通りやれば問題ない。一方でタブ直付けタイプは、はんだ付けの経験がゼロだと難易度が一段上がる。「大事な個体だから失敗したくない」「はんだごてを扱ったことがない」という場合は、無理せずレトロゲーム機の修理を扱っている業者に依頼するのも堅実な選択だ。工賃はかかるが、基板を壊すリスクを避けられるのは大きい。

よくある質問

Q. 電池が切れてもゲーム自体は起動しないんですか?

いや、起動する。電池が保持しているのはあくまで時計の情報と本体内蔵メモリーのセーブであって、ゲームソフト自体の動作には影響しない。時計設定画面が出た後、そのまま普通にゲームは遊べる。ただし内蔵メモリーへのセーブ・ロードが必要なタイトルでは、セーブが保持できない不便さが残る。

Q. 電池はCR2032で合ってますか?

セガサターンのバックアップ電池は一般的にCR2032が使われていることが多いが、これは「多い」であって全個体に当てはまる保証ではない。買い直す前に、必ず今入っている電池を外して型番の刻印を自分の目で確認してくれ。ここを飛ばすとサイズ違いで詰む可能性がある。

Q. はんだ付けは必要ですか?

個体による。電池がホルダーに収まっているタイプなら、はんだ付けなしで電池を差し替えるだけで済む。電池の足が基板に直接はんだ付けされているタブ直付けタイプの場合は、はんだ付けの作業が必要になる。開けてみるまでどちらか分からないことが多いので、両方のパターンを想定して工具を準備しておくと安心だ。

Q. パワーメモリー(外部メモリー)があれば電池交換は不要ですか?

いや、電池交換自体は必要だ。パワーメモリーはセーブデータの「保存先」を本体内蔵メモリーから外部カートリッジに変えられる、という話であって、時計(RTC)の情報は本体側のバックアップ電池がないと保持できない。パワーメモリーを使っていても、電池が切れていれば起動のたびに時計設定画面が出る症状は変わらない。ただし、内蔵メモリーのセーブを使わずパワーメモリーだけに頼っている場合は、電池切れによる「セーブが消える」実害は避けられる、という違いはある。

まとめ|電池1個の交換で時計もセーブも復活する

セガサターンの「起動のたびに時計設定が出る」「セーブが消える」症状は、多くの場合、本体基板の故障ではなくバックアップ用ボタン電池の寿命が原因だ。ポイントを整理しておく。

  • 電池はホルダー式タブ直付け式の2パターンがある。まず開けて自分の個体がどちらか確認する
  • 電池の型番は「一般的にCR2032」だが、必ず自分の個体の元の電池で確認してから買う
  • 交換中は内蔵メモリーのセーブが消える。残したいデータがあれば作業前にパワーメモリーへ退避しておく
  • 向き(極性)の確認とショート対策は必須。仮組みで動作確認してからケースを閉じる

電池自体は安いし、交換作業もホルダー式なら難易度は低い。長年しまってあったサターンを本格的に遊び倒す前の、最初の整備として取り組んでみてくれ。同じセガのレトロハードで読み込みトラブルに悩んでるなら、ドリームキャストが読み込まないときの原因と対処もまとめてあるので、あわせてチェックしておくといい。

※本記事は分解・改造の一般的な流れを解説したものです。改造・修理は自己責任で行ってください。作業による本体の故障・データ消失について当サイトは責任を負いません。実際の作業は必ずご購入キット・部品の説明書に従ってください。

本記事は一般的な情報提供であり、契約・申し込みは各社公式の最新情報をご確認ください。
おすすめの記事