
「ファミコンやスーパーファミコンで実況動画を作ってみたいけど、キャプチャーボードって何を選べばいいの?」「アナログ出力しかないレトロゲーム機に対応した機器を探しているんだけど、どれを買えば失敗しないの?」——そんな悩みを抱えている方もいます。
最近のゲーム機と違って、ファミコン・スーパーファミコン・ゲームボーイなどのレトロゲーム機はアナログ映像出力が基本。「コンポジット(黄色いRCAケーブル)」や「RFアンテナ」しか対応していない機種も多く、現代のキャプチャーボードではそのまま使えないことがあります。購入してみたら「繋がらない!」と気づいて後悔するケースもあります。
この記事では、キャプチャーボードの製品例3つをご紹介します。選び方の3つのポイントから接続手順・トラブルの対処法まで、実況を始める手がかりになれば幸いです。ぜひ最後まで読んでみてください。
キャプチャーボードとは?レトロゲーム実況に欠かせない理由
キャプチャーボードとは、ゲーム機の映像・音声信号をパソコンやスマートフォンに取り込むための機器のことです。「ゲームキャプチャー」「ビデオキャプチャー」とも呼ばれます。実況動画の録画・配信に使われるのが主な用途ですが、単純に「ゲームの映像をパソコンに保存したい」という場面でも大活躍します。
キャプチャーボードの仕組みはシンプルで、ゲーム機からの映像信号をキャプチャーボードが受け取り、デジタルデータに変換してパソコンへ送ります。パソコン側では「OBS Studio」などの配信ソフトやキャプチャーボード付属のソフトウェアを使って、録画・ライブ配信を行います。
レトロゲーム実況においてキャプチャーボードが欠かせない理由は大きく2つあります。1つ目は「スマートフォンのカメラでテレビ画面を撮影する方法では画質が悪く、映り込みやラグが発生しやすい」こと。2つ目は「テレビの録画機能では配信や動画編集に必要な形式でデータを取り出しにくい」こと。キャプチャーボードを使えば、高品質な映像データを直接パソコンに取り込めるため、クオリティの高い実況コンテンツが作れます。
- ゲーム機の映像をPCに取り込み、録画・配信が可能になる
- YouTubeやTwitchなどへのライブ配信にも対応
- OBS Studioなど無料の配信ソフトと組み合わせて使える
- レトロゲーム機のアナログ映像もデジタル化してデータ保存できる
- 昔のゲームプレイをきれいな画質で後世に残せる
レトロゲーム機とキャプチャーボードの接続問題を理解しよう
ここが重要なポイントです。現代のゲーム機(PS5・Nintendo Switchなど)はHDMI出力が標準ですが、レトロゲーム機は映像出力の規格が異なります。これを理解せずにキャプチャーボードを購入すると、「繋がらなかった…」という失敗につながることがあります。
| ゲーム機 | 映像出力方式 | 必要なキャプチャーボードの種類 |
|---|---|---|
| ファミコン(初代) | RFアンテナ/コンポジット(AV仕様のみ) | コンポジット対応機種 |
| スーパーファミコン | コンポジット/S端子/RGB(21ピン) | コンポジット・S端子対応機種 |
| ゲームボーイ(GBAまで) | 本体の画面で表示(テレビへの出力は別の周辺機器が必要) | 周辺機器の出力端子に対応した機種 |
| ニンテンドー64 | コンポジット/S端子 | コンポジット・S端子対応機種 |
| ゲームキューブ | コンポジット/S端子/コンポーネント | コンポーネント対応機種 |
| 初代PlayStation | コンポジット/S端子/RGB | コンポジット・S端子対応機種 |
このように、多くのレトロゲーム機は「コンポジット」や「S端子」という古いアナログ規格を使っています。現代のキャプチャーボードにはHDMI入力のみに対応した製品もあるため、その場合はそのままでは繋がりません。
解決策は2つあります。1つ目は「コンポジット・S端子に直接対応したキャプチャーボードを選ぶ」こと。2つ目は「HDMI変換アダプターを使ってHDMI信号に変換してからキャプチャーボードに繋ぐ」こと。どちらの方法にも一長一短があります。直接対応のものは構成がシンプルな傾向があり、HDMI変換を挟む方法は構成が複雑になります。画質は製品によって異なります。なお、実機ファミコンをテレビやPCに繋ぐための変換方法については実機ファミコンのテレビへのつなぎ方完全ガイドも参考にしてください。
失敗しないキャプチャーボードの選び方3つのポイント
レトロゲーム実況用のキャプチャーボードを選ぶ際に確認したいポイントを3つ紹介します。これを押さえると「買ってから使えなかった…」という失敗を防ぎやすくなります。
①対応入力端子の確認(最重要)
最も重要なのが「どの映像入力端子に対応しているか」です。前述のとおり、レトロゲーム機の多くはコンポジット(黄・白・赤の3色RCAケーブル)かS端子を使います。購入前に製品の仕様欄で「コンポジット入力」「S端子入力」の文字を確認してください。
「アナログ入力対応」と書かれていても、コンポーネント(赤・青・緑の3色)のみで、コンポジットには非対応という製品もあります。Elgato社の製品にはHDMI入力のみのモデルがあります(公式の仕様で確認)。一方、I-O DATAなどには、コンポジット・S端子に対応した製品があります。
②パススルー機能の有無
パススルー機能とは、ゲームの映像をキャプチャーボード経由でテレビにそのまま出力できる機能です。キャプチャーボードを通すと映像に遅延(ラグ)が発生することがありますが、パススルー機能があれば、ゲームのプレイはテレビ画面で遅延を抑えて行いつつ、録画・配信用の映像は別途キャプチャーできます。
レトロゲームにはアクションゲームもあり、入力遅延が気になる場面もあります。特に格闘ゲームや高速スクロールアクションを実況するなら、パススルー機能付きの製品を選ぶ方法があります。アナログ入力対応の製品にはパススルー機能がないものもあるため、確認してください。
③ソフトウェアの使いやすさとOS対応
キャプチャーボードは本体だけでなく、セットで使うソフトウェアの使いやすさも重要です。多くの製品には専用の録画・配信ソフトが付属していますが、OBS Studioなどの汎用ソフトにも対応しているものが使い勝手がいいです。OBS Studioは無料のオープンソースの録画・配信ソフトです(公式ページ)。
またMacユーザーの方は、Mac非対応のキャプチャーボードもあるため注意してください。「Windows専用」と書かれていないか確認しましょう。I-O DATAの公式ページでは、GV-USB2はWindowsパソコン向けの製品とされています。
キャプチャーボードの製品例3つ(仕様は公式ページで確認)
それでは製品の候補を3つご紹介します。目的別に選べるよう、入門向けから上級者向けまでの例を挙げました。
I-O DATA GV-USB2|コンポジット・S端子入力(個人の鑑賞用の録画に限る)
I-O DATAのUSB接続ビデオキャプチャー「GV-USB2」は、コンポジット入力・S端子入力の両方に対応しています(公式の仕様)。このため、コンポジットまたはS端子で出力できる機器と直接接続できます。
I-O DATAの公式ページでは、USB 2.0接続で、録画ソフト「LightCapture」がダウンロード提供(無料)されると案内されています。OBS Studioとの組み合わせは、公式ページで確認できませんでした。重要な注意として、公式の注意事項に「本商品で記録した映像/音声は、個人の鑑賞以外の目的で使用することはできません」とあります。実況動画として公開・配信する目的には、この注意事項と合わない点に注意してください。
注意点として、公式の仕様にパススルー機能の記載はありません。プレイ中の映像は、キャプチャーボード経由でPCモニターに表示されることになります。
- 価格:販売ページで確認してください
- 対応入力:コンポジット・S端子(アナログのみ)
- 対応OS:Windows 11・Windows 10など(公式ページ。Macの記載なし)
- パススルー:公式の仕様に記載なし
- 向いている方:コンポジット・S端子で出力できる機器を、個人の鑑賞用に録画したい方
AVerMedia Live Gamer Portable 2 Plus(AVT-C878 PLUS)|HDMI入力・パススルー対応
AVerMediaのLive Gamer Portable 2 PLUS(AVT-C878 PLUS)は、HDMIのゲーム機を録画・配信するためのキャプチャーです(公式ページ)。ゲームキューブやPS2など、コンポーネント端子を使うゲーム機を接続するには、別にHDMI変換が必要になる場合があります。
公式の仕様では、入力端子はHDMI 2.0で、パススルー出力(HDMI 2.0。4Kパススルー対応、HDR非対応)を備えています。さらに単体録画モード(PCなしで本体だけで録画するモード)にも対応しており、microSDカードに直接録画できます(対応はmicroSDHC / microSDXC)。
「コンポジット(黄色いRCAケーブル)には対応しているの?」と気になる方もいるでしょう。公式の仕様の入力端子にコンポジットの記載はありません。レトロゲーム用HDMI変換器おすすめ4選で紹介しているようなHDMI変換器を組み合わせる方法があります。
- 価格:販売ページで確認してください
- 対応入力:HDMI 2.0
- 対応OS:Windows・macOS
- パススルー:あり(HDMI 2.0。4K対応・HDR非対応)
- 向いている方:HDMI出力のゲーム機を録画・配信したい方(レトロ機はHDMI変換器が必要)
Elgato HD60 X|HDMI変換器と組み合わせる構成(販売終了)
Elgato HD60 Xは、HDMI入出力のキャプチャーボードです。HDMIのみの対応のためレトロゲーム機には直接繋がらず、アップスケーラー(HDMI変換器)と組み合わせて使います。なお、Elgatoの公式ページでは「HD60 X is no longer available(Discontinued)」と表示されています(サポートとソフトは引き続き提供と記載)。
RetroTINK-5X ProやOSSC(Open Source Scan Converter)などのアップスケーラーを組み合わせる方法もあります。RetroTINK-5X Proは、公式の仕様でコンポジット・S端子などの入力に対応し、1080pなどのデジタル映像で出力します。OSSCは、取扱元の公式ページによると、コンポジット・S端子の入力には変換機器を使わない限り対応していません。
Elgatoの公式ページでは、HD60 Xの対応OSはWindows・Mac・iPad、パススルーは4K 60に対応と記載されています。OBS StudioなどElgato以外のソフトで使えるかは、公式のよくある質問で確認してください。
- 価格:販売状況を含め、公式ページで確認してください
- 対応入力:HDMI(パススルーは4K 60に対応)
- 対応OS:Windows・Mac・iPad(公式ページ)
- パススルー:あり(4K 60対応)
- 向いている方:HDMI変換器と組み合わせて使う方
キャプチャーボードの接続・設定手順【ファミコン・スーファミ編】
それでは実際にキャプチャーボードを使ってレトロゲーム実況を始めるための手順を解説します。ここではコンポジット・S端子入力に対応したキャプチャーボード(I-O DATA GV-USB2を例)を使った、ファミコン・スーパーファミコンの接続方法を説明します。3ステップに分けて解説します。
ステップ1:接続ケーブルと機材を準備する
まず必要なのが「コンポジットケーブル」(黄・白・赤の3色RCAケーブル)です。スーパーファミコンは、SFC用のAVケーブルでコンポジット出力が可能です。ファミコンの場合、初代機はRF出力のため、「AV仕様ファミコン(後期型)」を用意する方法があります。本体を改造してコンポジット出力に対応させる方法もありますが、メーカーが案内している方法ではなく、本体を損傷するリスクがあります。
スーパーファミコンのテレビ接続や変換方法についてはスーファミをHDMI接続でテレビに映す方法も参考になります。変換器の選び方も解説されています。
ステップ2:GV-USB2をPCに接続して認識させる
コンポジットケーブルの黄色(映像)・白と赤(音声左右)をGV-USB2の対応ジャックに挿し込み、USB端子をPCに接続します。認識の手順やドライバーについては、I-O DATAの公式サポートページ・取扱説明書を確認してください。
ステップ3:OBS Studioで映像を確認して録画・配信する
OBS Studio(無料)を起動し、ソース欄の「+」ボタンから「映像キャプチャデバイス」を選択します。デバイス一覧にお使いのキャプチャーボードが表示されたら選択してください(表示名は製品によって異なります。製品によってはOBSで使えない場合があります)。プレビュー画面にゲームの映像が表示されれば接続成功です。録画設定のビットレートは、2,500〜5,000kbpsを目安にできます。ライブ配信の場合は、配信サービスのストリームキーを入力して「配信開始」ボタンを押します。最初は録画から始めて、操作に慣れてからライブ配信に挑戦する方法があります。
キャプチャーボード導入のメリット・デメリット
メリット
- ゲーム映像を高品質で録画できる:スマートフォン撮影と比べ、映り込みや手ブレが起きにくい
- YouTube・Twitchでのライブ配信が可能:OBS Studioを使えば無料で配信環境を整えられる
- 昔のプレイをデジタル保存できる:VHSテープの映像デジタル化など、ゲーム以外にも応用可能
- 編集・加工が自由自在:録画した映像をPremiere ProやDaVinci Resolveで自由に編集できる
- レトロゲームの魅力を発信できる:動画や配信を通じて共有できる
デメリット・注意点
- 初回セットアップに時間がかかる:ソフトウェアのインストールや設定に慣れるまで時間がかかることがある
- 仕様が確認できない製品は慎重に:対応端子・対応OSなどを商品ページで確認する
- PCのスペックが必要:配信と録画を同時に行う場合はある程度のCPU性能が必要
- アナログ入力対応製品は確認が必要:コンポジット対応かどうかは製品ごとに異なる
キャプチャーボードは製品によって対応端子・対応OS・使える用途が異なります。購入前に、メーカーの公式ページで仕様を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. スマートフォンだけでレトロゲームの実況はできないの?
技術的にはスマートフォンのカメラでテレビ画面を撮影する方法で実況は可能です。ただし、画面の映り込み・手ブレ・音のズレなどが発生しやすく、視聴者にとって見づらい動画になりやすいです。ゲームプレイ映像の公開については、ゲームの発売元のガイドラインを確認してください。
Q. Macでも使えるキャプチャーボードはある?
あります。本記事で紹介したAVerMedia Live Gamer Portable 2 PlusとElgato HD60 Xは、各社の公式ページでMac(macOS)に対応と記載されています。I-O DATAの公式ページでは、GV-USB2はWindowsパソコン向けの製品とされています。購入前にメーカーの仕様ページでMac対応を確認してください。
Q. キャプチャーボードを使うとゲームにラグは出ないの?
キャプチャーボード経由でPCモニターに映像を出力すると、映像処理の関係でラグが発生することがあります(製品や設定による)。「パススルー機能」付きの製品を選べば、ゲームプレイはテレビで遅延を抑えて行い、録画・配信用にキャプチャーボード経由の映像を使うという方法があります。パススルー機能の記載がない製品の場合は、PCモニター上の映像でプレイすることになります。
Q. コンポジットからHDMIへの変換器とキャプチャーボードはどちらを先に繋ぐ?
接続順序は「ゲーム機 → コンポジットケーブル → HDMI変換器 → キャプチャーボード → PC」となります。コンポジット非対応のキャプチャーボード(Elgato HD60 Xなど)を使う場合は、間にHDMI変換器を挟む必要があります。
Q. 録画した動画はどのくらいのファイルサイズになる?
ビットレート2,500kbpsで録画した場合、1時間あたりおよそ1.1GBです(2,500kbps×3,600秒÷8で計算)。5,000kbpsなら約2.2GBです。長時間の実況をする場合は、外付けHDDやSSDを用意しておくと安心です。
まとめ|自分に合ったキャプチャーボードでレトロゲーム実況を始めよう
今回はキャプチャーボードの製品例3つと、失敗しない選び方のポイントをご紹介しました。最後に選び方のポイントをおさらいします。
- コンポジット・S端子で出力できる機器を個人の鑑賞用に録画したい方→ I-O DATA GV-USB2
- HDMI出力のゲーム機を録画・配信したい・パススルーがほしい方→ AVerMedia Live Gamer Portable 2 Plus
- HDMI変換器と組み合わせて使う方→ Elgato HD60 X+HDMI変換器の組み合わせ(販売終了の表示あり)
大切なのは「自分が実況したいゲーム機の映像出力端子に対応しているか」を確認することです。ここを押さえると、キャプチャーボード選びで失敗しにくくなります。
懐かしのファミコン・スーファミを視聴者と一緒に楽しむレトロゲーム実況という楽しみ方があります。この記事を参考に、レトロゲーム実況を始めてみてはいかがでしょうか。
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